47氏が負っている物

以前からここを見てる人は私の立場はよくご存じだとは思いますし、のらさんとのインタビューでも書きました。

確かに技術が中立なんてものは確かに幻想で、47氏創作家として大きな主張を込めたソフトウェアの普及に成功し、最終的にその主張は広く周知されることになりました。彼の逮捕によって。しかし、もっとうまくできなかったんだろうか。

常々話に出しているNetLeaderのように、DRMで頑張って配布は自由に、というようなやり方がようやく出てきたところでこの事態です。Winnyは、最も効率よくデータを配布できるツールの一つであることは確かなわけです。ISPの帯域をも埋めてしまうほどに。そこに未来は確実にあったわけです。
それをゆがめてしまったのは47氏自らの発言かもしれないし、違法利用を煽った出版社かも知れないし、それを入り口に平積みしている書店かも知れません。もしかすると、3秒考えれば分かるはずの「違法だから表だって出来ることではない」ということに考えが至らない利用者なのかも知れません。違法利用も確かにできるけど、「正しい利用が主」という考え方はどこへ行ってしまったんでしょうね。

47氏が(実際はどのような形であれ)何故「悪いと認め」てしまったのか。47氏が負っているものは決して小さくありません。Winnyの進化をずっと見続けてきた物として、非常に悔やまれてなりません。

うまい表現を見つけたので引用します。

  1. 倫理的に不当だが違法ではない行為
  2. 違法だが逮捕には相当しない行為
  3. 違法であり逮捕すべき行為

47氏は、1〜2未満の範囲であるべきが、それを逸脱してしまった結果がこの逮捕劇となったわけです。

もう一つ。
glocomの人winnyを肯定的に議論するとして書いた文章が私にかなり近いのでご一読あれ。