P2Pネットワーク

WinnyとShareのネットワークでもっとも異なる点は、ダウンロードに用いるTCPコネクションの接続方法です。
Winnyでは、ある要求者は周囲からかき集めたキーを元に、そこに書かれた保持者に対して接続しにいきます。この動作がWinnyの中継転送の肝にもなっています。また、複数の接続先候補を持った場合には、要求者の希望する条件に基づくダウン優先度に応じて、例えばより参照量が多いものから取りに行きます。
それに対し、Shareの場合はファイルの保持者から要求者に対して接続するというやり方を選びました。おそらく、ダウン要求のみを検索ネットワーク上で送っているのかもしれません。実現方法はともかく、ダウンロード処理の主導権を目的のファイルの保持者が握ることで、待ち行列を実現しています。
この違いから、Winnyでは要求者、Shareでは保持者の意志が優先されるわけですが、当然ファイルを欲しがっているのは要求者です。一回のダウンロードというミクロな視点で見ればShareの方が無駄な接続試行も無く効率的です。また、本当に欲しいファイルだけが欲しい、という視点から見てみるとWinnyの方が無駄が少ないと言う見方もできます。