インフラの変化による設計思想の違い

とてもよく似た目的を持ちつつも開発思想が大きく異なるこの二つのファイル共有アプリケーションですが、その理由を考えるのに、この3年間でのインターネットインフラの変化に触れないわけにはいきません。
Winnyが出てきた2002年上旬、まだADSLYahoo! BBの貢献もあり300万加入者に届くかどうか、FTTHに至ってはわずか5万加入者と、いわゆるブロードバンド比率はたったの2割前後でした。事実上、好条件ですら上り側が1Mbpsまでしか出ないADSLがネットワーク全体を牽引していく位置にあった事になります。
そこから3年が経過し、FTTH加入者が150万を超えました。ADSLはリンク上限速度が上がった事を抜きにしても1200万加入者まで膨れあがり、上り速度も、現在では3Mbps〜5Mbpsにまで引き上げられました。もはや「ブロードバンド回線」が基本となったインターネットを前提にShareは開発されました。
ISPの立場からするとあまり冗談になっていないご時世ですが、「じゃぶじゃぶ使える」ようになり、特に上りの帯域について利用者の意識も含め、気にせず使えるようになったというのがShareのあちこちに現れているように思います。